大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)533 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点、第二点について。

本件家屋の統制家賃額の算定の資料となる所論の諸事実は、原判決挙示の証拠に

より認められないわけではなく、この点に関する所論の違法は認められないが、右

家屋の統制家賃額の算定は、先ず建物全体の加算分を加えた上、本件一三・五坪分

の按分計算をするのが正当と認められるところ、原判決挙示の甲一号証によれば按

分計算をした上建物全体の加算分を加えているのであつて、この点において、原審

の是認した本件統制家賃額の算定方法は所論のように誤算たるを免れない。しかし

前記のごとき正当な計算の方法により、先ず八、五三九円一六銭に一、六四二円三

二銭を加えた上、九一・二四坪に対する一三・五坪の部分を按分計算すれば、一、

五〇六円余となるのであつて〔(8539円16銭+1642円32銭)×13.

5/91.24=1506円46銭〕、結局、本件約定賃料一、五〇〇円より高額

であるから、右計算方法の誤は、判決に影響なきに帰し、所論は採るを得ない。

同第三点について。

所論民事訴訟法の規定は、口頭弁論において当事者の予想し得ない事項があらわ

れ、これによつて裁判がなされることを避けようとする趣旨に出でたものと解すべ

きである(昭和二五年(オ)第一七八号、同二七年六月一七日最高裁判所第三小法

廷判決、民集六巻六号五九五頁参照)。

ところで、本件の原審第二回口頭弁論期日において上告人不出頭の際に被上告人

の陳述したことは、本件建物の賃料に地代家賃統制令の適用があること、およびそ

の統制額は昭和二九年度が月二、九〇五円であり、昭和三二年度は三、五〇〇円位

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になる見込であるというに尽きるのであるが、右の点については、上告人自ら控訴

状において、本件統制額が月八〇〇円以下であるから契約解除も効力なく、賃料請

求も許されないと主張しており、右控訴状は、原審第一回口頭弁論期日に上告人不

出頭のまま陳述したものと看做され、右陳述に対し、第二回口頭弁論期日に裁判長

の発問に応じて被上告人が前記主張をしたものであつて、これを相手方たる上告人

の予想しえない主張とは認められない。それ故所論は採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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