大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)554 判決

主 文

原判決を全部破棄し、本件(昭和三三年(オ)第五五四号、同年(オ)

第五五五号併合事件)を広島高等裁判所に差戻す。

理 由

昭和三三年(オ)第五五四号事件上告人Aおよび同年(オ)第五五五号事件上告

代理人河嶋昭、同梅林卯三郎の各上告理由について。

原判決は、原審被控訴人B1において乙第一号証の作成名義人であるB1親権者

D名下の印影の成立を認めることを理由として、同号証が真正に成立したことを推

定した上、同号証と原判示各証言とを綜合して原審被控訴人B1及び原審控訴人B

2間に、原判示の売買契約が成立した事実を認定している。

しかし、本件は、原審被控訴人B1及び原審控訴人B2間の不動産所有権移転登

記手続請求事件が原審に係属中、原審参加人Aにおいて民訴七一条前段により当事

者として参加したものであるから、同条後段によつて同六二条が準用されるのであ

つて、その結果、ある当事者の相手方に対する自白その他の訴訟行為は、他の当事

者の不利益のためには効力を生じないものと解すべきである。従つて、たとい原審

被控訴人B1において、原審控訴人B2提出の乙第一号証中前示印影の成立を認め

ても、原審参加人Aが同号証の成立を全く否定すること原判示の如くなる以上、民

訴三二六条の推定は、同人に対する関係において適用の余地がないものといわなけ

ればならない。

しかるに、原審が、被控訴人B1において前示印影の成立を認めるという一事に

よつて、原審参加人Aの関係においてもまた乙第一号証の真正に成立したことを推

定した上、これを前示契約成立の事実を認定する資料としたのは、法令の解釈適用

を誤り、ひいて審理不尽、理由不備の違法を免れず、上告人Aの論旨中乙第一号証

を右契約成立の事実認定の資料としたことの違法を主張する部分は結局理由がある。

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そして、原判決は、前記のとおり、民訴六二条の準用のあるいわゆる当事者参加

訴訟につきなされたものであるから、これに対する前記各上告事件は当審において

これを併合審理し、上告理由中その理由あるものがあれば、原判決全部を破棄して、

事件を原裁判所に差戻すべきものである。

よつて、その余の各上告理由についての判断を省略し、民訴四〇七条に従い、裁

判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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