最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)993 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告理由について。
弁論の全趣旨とは、当該口頭弁論に現われた一切の積極、消極の事柄であり、所
論のような当事者の訴訟行為にのみ限定されるものではなく、その内容は各場合に
よつて異り広汎であり、裁判所に対しそれぞれの場合に心証形成の資料となるとこ
ろのものである(民訴一八五条参照)。されば、心証形成の過程を一々判示するを
要しないと同様の理由を以て、弁論の全趣旨の内容が記録と照合しておのずから明
らかである本件においては、これを具体的に示すことは何ら必要がないものと解す
るを相当とする。所論は、右に反する独自の見解に立脚するものであつて、採るを
得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 高 木 常 七
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