大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(あ)2179 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人伊藤俊郎の上告趣意について。

記録によれば、第一審において所論証人尋問が公判期日外で行われるに際し、右

尋問期日を、弁護人に対しては通知したが、被告人に対しては通知しなかつたこと

受命裁判官が右尋問を行つた際被告人がこれに立会わなかつたことは所論のとおり

である。しかし本件証人尋問には弁護人が立会い、弁護人自ら尋問もしており、被

告人に期日の通知なくその立会のないことにつき異議を申述べた形跡なく、そして

該証人尋問調書は第一審第三回公判において、被告人および弁護人の異議なく適法

に証拠調べがなされていることも記録上明らかである。

そして、当裁判所の判例によれば、憲法三七条は、第三者の供述を証拠とするに

は必ずその者を公判廷において証人として尋問せねばならぬ趣旨のものではなく、

聴取書もしくは供述に代わる書面をもつて証人に代えることを絶対に禁じた趣旨の

ものではない(昭和二三年(れ)第一六七号、同年七月一九日大法廷判決、集二巻

八号九五二頁)とせられ、また、公判廷外で決定された受命判事の公判廷外におけ

る証人尋問期日を被告人に通知しなくても、必ずしも憲法三七条二項前段に違反す

るものではない(昭和二三年(れ)第一〇五四号、同年九月二二日大法廷判決、集

二巻一〇号一二二五頁)とせられているのであつて、所論違憲の主張は、右判例に

照らし採ることを得ない。その余の論旨は単なる訴訟法違反の主張であつて刑訴四

〇五条の上告理由に当らない。(なお、この点に関する原判示は正当である。)

よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三五年四月一四日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 高 木 常 七

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