大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)1241 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岩切清治の上告理由について。

上告人の本件許可申請は結局農地法二〇条二項三号または四号の要件を充たした

ものとは認められない旨の原審事実認定は、引用の一審判決挙示の証拠に照らし首

肯し得なくはない。所論は、ひつきよう原審が適法にした証拠の取捨判断および事

実認定を争うに帰するから採るを得ない。

そして原審の確定した右のような事実関係の下では、上告人には当時いまだ本件

農地を耕作する能力が十分ではなかつたこと、本件農地の返還を受けなくても上告

人は優にその生計を維持し得たと認められること、本件農地の賃貸借は一時的のも

のであつたとは認められないこと、賃借人らにとつては本件農地はその生計を維持

する上に極めて必要であつたと認められること、本件農地の返還を求めようとする

上告人の目的は要するに農地の拡張にあつたと認められる旨の原審の判断は正当で

あり、論旨はひつきよう独自の見解に立つて原判決を非難するに帰するから採るを

得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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