大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)362 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鈴木義広の上告理由第一点について。

所論信義則違反ないし権利濫用の主張に対する原審の認定、判断は首肯すること

ができる。所論は、原審の認定に副わない事実関係を前提とし、原判決の違法をい

うものであつて、採るを得ない。

同第二点について。

所論の点に関する原審の事実認定は、挙示の証拠に照らし是認することができ、

その間所論のような経験則違反は認められない。論旨は、原審の適法にした証拠の

取捨、事実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。

同第三点について。

裁判所が当事者の主張事実を判決に摘示するについては、争点につき事件を判断

するに必要なる限度において、その要点を摘録すれば足り、必らずしも、主張事実

のすべてを逐一記載せねばならないものではない(大審院、大正八年(オ)七二五

号、同年一一月一七日、二民判決、昭和一三年(オ)一五三七号、同一六年八月二

七日、三民判決参照)。本件においては、所論権利濫用に関し判断をするに必要な

事実については、原判決の当事者の主張事実摘示において、十分尽されていると認

められる。それ故、所論の違法は存在しない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

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裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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