大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)884 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人桜井紀の上告理由第一点について。

しかし、上告人において所論Dに所論管理の権能ありと信ずるに足るような事由

があつたからといつて、原判決によればDには何らの代理権も、いわゆる基本代理

権がなかつたというのであるから、このような場合民法一一〇条を適用し得べき限

りではなく、そしてこの場合同法一〇三条に基いてDに何らかの基本代理権がある

ものと解し得べき余地があるわけのものでもない。所論は全く独自の見解というを

憚らない。

同第二点について。

しかし、原判決認定のような事実関係の下では被上告人の本訴明渡請求を権利ら

ん用と目することはできないとした原判決の判断は正当である。そしてこの場合所

論のような事情があるからといつて右判断を左右することができるわけのものでは

ない。従つて所論違憲の主張はその前提を欠くものであつて、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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