最高裁判所第一小法廷 昭和35(あ)2819 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人上山武の上告趣意について。
所論は、原判決は、所論引用の最高裁判所等の判例の趣旨に違反しているという
のである。
しかし、所論第六に引用の当裁判所大法廷の判決(昭和二六年(あ)第三一〇〇
号、同三三年三月五日宣告、刑集一二巻三号三八四頁)は、共犯者が共に起訴され
た場合における旧関税法(昭和二九年法律六一号による改正前のもの)八三条三項
による追徴についての判例であつて、事案を異にし、本件には適切でない。
また、所論引用第三の仙台高等裁判所秋田支部の判決は、昭和二七年(あ)第二
九九一号、同三三年六月二日当裁判所大法廷判決(刑集一二巻九号一九三五頁)の
趣旨に反するものであり、同第四の東京高等裁判所の判決は、本件と事案を異にし、
本件に適切ではない。
所論はなお、大阪地方裁判所および神戸地方裁判所の各判決の趣旨にも反する旨
主張するが、右各判決は、刑訴四〇五条三号にいう判例に該当しないから、適法の
上告理由とならない。
(なお、たとえその取扱つた密輸時計の一部に共通するものがあつても、数人の
犯人が、それぞれ別個独立に買受、保管、売却の斡旋等をした場合においては、各
犯人に対し、各自の犯罪に基づき、それぞれ別個独立に没収または没収に代わる追
徴をなし得ることは、当裁判所の判例《昭和三五年(あ)第二八六一号、同三六年
九月二一日当小法廷判決》とするところである。従つてこれと同趣旨である原審の
判断は正当である。)
よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
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昭和三六年一〇月五日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 高 木 常 七
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