大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(あ)318 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人吉井晃の上告趣意第一点は、単なる訴訟法違反、事実誤認の主張を出でな

いものであり、同第二点は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の

上告理由に当らない。また、同第三点は、判例違反をいうが、原審で主張、判断の

ない事項に関するばかりでなく、被告人に不利益な主張に帰するから上告適法の理

由と認められない。また、記録を調べても、同四一一条一号ないし三号を適用すべ

きものとは認められない。

弁護人ウオーレン・ジー・シモール、同大塚龍司の上告趣意は、違憲をいうが、

その実質は、単なる訴訟手続違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当ら

ない。そして、本件は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基

く行政協定一七条一項(b)の規定によりわが国が裁判権を有するものであつて、

被告人は現行犯として逮捕され、不拘束のまま起訴されたもので、所論のごとく合

衆国の軍当局により日本の裁判所に裁判のため引渡された事実は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三五年六月一六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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