大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(あ)61 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人本吉加岐磐の上告趣意第一点は単なる訴訟法違反の主張であつて刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。(のみならず刑訴四〇二条は同条に定められた控訴事

件につき判決主文の刑すなわち判決の結果を原判決の結果に比較して被告人の不利

益に変更することを禁ずるにとどまるものであることは当裁判所の判例の趣旨とす

るところである。昭和二三年(れ)一〇〇八号、同年一一月一八日第一小法廷判決

刑集二巻一二号一六二六頁、同二四年(れ)六一三号、同年八月九日第三小法廷判

決刑集三巻九号一四二八頁参照)。

同第二点は単なる訴訟法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

(のみならず、控訴審が事実の取調べをなし破棄自判するような場合において、検

察官より公訴事実の同一性を害しない限度で訴因の予備的追加の請求があつたとき

はこれを許すべきであるとするのが当裁判所の判例の趣旨とするところである。昭

和二九年(あ)五一五号、同年九月三〇日第一小法廷決定、刑集八巻九号一五六五

頁。昭和二八年(あ)五〇八六号、同年一二月二六日第二小法廷判決、刑集九巻一

四号三〇一一頁参照。しかも本件においては被告人も弁護人も右訴因の追加に異議

ない旨意見を述べていることが記録上明らかであり、被告人の防禦に実質的な不利

益を与えることはなかつたものと認められるから、論旨は採るを得ない)。

同第三点、第四点は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の

上告理由に当らない。(本件は事実誤認の点で一審判決が破棄され自判されている

場合であるから、一審判決の認定事実を基礎として量刑不当を主張する点は、その

基礎を失つたものというべく、したがつて所論の判断を必要としない)。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

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昭和三五年六月二三日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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