大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)1113 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大滝一雄の上告理由第一点について。

論旨は、原審は上告人の主張、立証を不当に妨げ、またはその機会を与えずして

弁論を終結し、審理不尽の違法を犯したというが、本件訴訟の経過に徴し、特に上

告人の主張、立証を妨げたり、またその機会を与えなかつたものとは認めがたいか

ら、論旨は理由がない(論旨は、被上告人は一審以来真剣に争う態度を示さなかつ

たというが、被上告人は一審以来三〇万円の貸金については保証をしたが本件一五

〇万円について保証をした事実はないと終始争つていた事実を看取できるから、そ

の間、本件一五〇万円の債権の発生原因、被上告人の保証の経緯を明確にし、必要

な主張、立証をなし得なかつたものとは認められない)。

同第二点について。

論旨は、原判決には既判力を無視した違法があるというが、原審は、被上告人が

所論一五〇万円の債務について保証した事実もまた証拠上認められないと判示して

いるばかりでなく、所論確定判決はこれと当事者を異にする本件について当然にそ

の効力が及ぶとはいえないから、論旨は理由がない。�

同第三、四点について。

所論はひつきよう原審がその裁量権の範囲内で適法にした証拠の取捨判断及び事

実認定を非難するに帰し、所論の違法は認められないから採用しがたい。

同第五点について。

しかし、準備書面に記載しない事実でも、口頭弁論期日に出頭して陳述すること

を許されないというものではなく、ただ相手方が在廷しない場合には、口頭弁論で

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その主張が許されないだけのことである(民訴二四七条参照)。ところが、所論証

拠申出のなされた昭和三五年四月一一日の第五回口頭弁論期日に上告人が出頭して

いることは、記録上明らかであるから、被上告人の所論証拠の申出に所論の違法は

なく、その他論旨にはすべて理由がないから採用しがたい。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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