最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)1381 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士鈴木義男、同河野太郎の上告理由第一点第二点について。
原判決主文中論旨摘録にかかる部分は、第一に、読んで字の如く本件山林に生立
する立木そのものに関する一定行為を禁じたものであつて、立木の共有持分権の売
買贈与等を禁じたものではなく、第二に、共有立木そのものの売買贈与が共有者の
同意なくしては法律上不能なことは所論のとおりであるが、それにもかかわらず、
上告人が売買贈与を敢えてするにおいては、共有権者たる被上告人は事実上種々の
不利益を蒙るおそれがあるから、将来そのような妨害の生ずるであろうことを慮り、
これを予防する趣旨において本訴においてそのような行為を禁止することを求めた
のであり、原判決もその趣旨を容れてこれを是認したものである。それ故、論旨は、
いずれも原判示の意味を正解しないことに由来するものであつて、採るを得ない。
同第三点について。
しかし、所論条例改正の効力の遡及を認めた原判示の当否はともあれ、所論売却
処分そのものは告示の日より遙かに後である昭和二七年一二月一〇日になされたの
であるから、売却承認の議決が同年六月三〇日の告示前になされたからといつて、
売却そのものの効力を左右するに至らないものと解するを相当とする。従つて、所
論売却処分を無効と認め難いとした原判決の判断は結局正当に帰するから、論旨は
採用のかぎりではない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお
り判決する。
最高裁判所第一小法廷
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裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 高 木 常 七
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