最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)1417 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人恩藤誠一の上告理由第一点について。
原審は、Dが、本件土地に建物を新築するに当り、土地所有者たる被上告人ない
しその前所有者が、右Dに対し、右新築につき承諾を与えたことはなかつた事実を
認定しているのであつて、右認定は、挙示の証拠により是認できる。所論は、原審
の裁量に属する証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。
同第二点について。
建物の前主が借地権を有しない場合に、その建物の譲受人が、借地法一〇条の保
護を受けられないことは、同条の法文上明瞭である。原審は、Dの借地権が本件土
地につき存しなかつた事実を認定し、上告人の買取請求の主張を斥けたのであつて、
右判断は正当である。所論は原審の右事実認定に副わない事実を前提として原判示
を非難するものであつて、採るを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 高 木 常 七
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