最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)172 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士井上吾郎、同山野巖の上告理由第一点ないし第三点について。
しかし、原判決挙示の証拠を照合すれば、所論の点に関する原判決の認定は、首
肯できないことはなく、その認定の過程に所論のかきんあるを認め得ない。所論は、
要するに、原審の専権に属する証拠に対する評価並びに取捨選択及びこれに基いて
なされた事実認定への非難以外のものではなく、採るを得ない。
同第四点ないし第六点について。
しかし、上告人は単独所有権が自己にあることを前提として本訴請求をしている
のであつて、所論共有権や或は共有の持分権を前提としているのではないから、原
審としては、所論の点について審理判断をなし得べき限りではない。そして、この
場合、原審として上告人に対し共有持分権を主張するや否やについて釈明しなけれ
ばならない筋合があるわけのものではない。それ故、原判決が右単独所有権を認め
得ないとして本訴請求全部を排斥したのは当然である。そして、また、原判決が上
告人の共有権を認めたからといつて、上告人においてそれを請求の前提としていな
い以上、所論第六点主張のような理由で本訴抹消登記が許容さるべき限りでもない。
所論は、すべて独自の見解というの外なく、採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 斎 藤 悠 輔
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裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 高 木 常 七
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