大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)282 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人阿河準一の上告理由について。

しかし、裁判所が他の民事事件の判決書を書証として事実認定の資料に供するこ

とは、なんら妨げないところであり、しかも、所論甲一、二号証を除いても原審挙

示の証拠に照し、本件建物が当初より被上告人の所有に属する旨の原審認定は首肯

できなくはないから、所論前段の論旨は理由がない。

また自己の所有に属しない物の上に抵当権を設定できるわけがないから、本件建

物の真実の所有者でない訴外Dが自己の所有に属する物であると称してなした抵当

権設定及びその登記並びにその後の抵当権譲渡及びその登記はすべて無効であると

いわざるを得ず、したがつて真実の所有者である被上告人の上告人に対する本訴請

求の容認さるべきは当然のことである。原審判示の趣旨もひつきょう上記したとこ

ろと同様に帰すること判文上明らかであるから、所論後段の論旨も採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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