大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)649 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士和久井宗次、同常盤温也の上告理由第一、第二点について。

第一審判決は被上告人の請求の趣旨中の一部を認容した処、被上告人はその敗訴

の部分について独立の控訴を申立て、次いでその請求の趣旨を拡張したものである

こと、そして、原判決は右拡張された請求の趣旨全体について審理判断をしたもの

であることは、記録上明白である。そして、そのような場合に、原審はその審理判

断を第一審における請求の趣旨に限定さるべき筋合があるわけのものではないし、

また、所論の「控訴状訂正」なる書面は実質は請求の趣旨の拡張申立書であること

は明瞭であるから(所要の印紙が貼用されていることに着目すべきである)、右の

ような題名の書面で請求の趣旨を拡張することは何ら非難さるべき筋合があるわけ

のものではない。所論は、ひつきようするに、原判決を正解せず、独自の見地に立

つて原判決に所論の違法あるが如く攻撃するものであつて、採るを得ない。

同第三点について。

所論は、ひつきようするに、原判決がもろもろの証拠資料を参酌してなした専権

行使上の判断に対し如何にも経験則違反あるが如く非難するだけのものであつて、

採るを得ない。なお、原判決の判断の過程には所論経験則違反のかどあるを認め得

ない。

同第四点について。

しかし、原判決は、その挙示の証拠に基づき、被上告人は上告人に対し昭和二五

年一二月一一日甲室は坪当り一ヵ月金千五百円乙室は前同金五百円に値上する旨意

思表示をした事実を認定しており、所論のように、昭和二五年一一月末に単に家賃

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をもつと高くしますよという意思表示をしたとは認定していないのである。所論も、

原判決を正解しないで彼是論難するものであつて、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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