大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)691 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人弁護士渡辺幸吉の上告理由第一点について。

所論の点に関し、原判決の引用にかかる第一審判決は、上告人両名は個人として

本件建物を賃借していたことはその自白するところであり、その自白が真実に反し

錯誤に基くものであることはこれを首肯するに足る証拠がないから右自白は上告人

らを覊束するものと判示している趣旨と解するを相当とする。してみれば、原審は

所論乙第八号証その他所論の点を穿索するの必要なかつたものと言うべく、従つて

右の点を審究しなかつたからといつて所論違法のかどありと言うを得ず、所論は採

用するを得ない。

同第二点について。

しかし、所論の点に関し、原判決は、その挙示の証拠により被上告人は昭和二四

年七月頃本件建物を上告人らにおいて何時にても使用し得るよう態勢を整えていた

こと、ただ上告人ら側の都合によりこれが使用をなすに至つていなかつた事実を認

定しているのであるから、原判決が右昭和二四年七月頃に本件賃貸借が締結された

と認定したからといつて、そこに所論の違法ありというを得ず、所論は採用できな

い。

同第三点について。

しかし、原判決及びその引用にかかる第一審判決がその挙示の証拠に基いて認定

した判示事実関係の下では、被上告人に所論賃貸借更新拒絶の正当の事由があつた

ものと認めるを相当とする。これと同趣旨に出た原判決(第一審判決)の判断は正

当と認める。所論はひつきようするに自己独自の見地から右認定事実と相容れない

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事実を主張しつつ原判決の右判断を非難攻撃するものであつて、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で主

文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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