最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)1195 決定
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人小林正基の上告趣意は、事実誤認の主張を出でないものであり、同平松久
生、同小神野淳一の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、いず
れも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(原審の認定したところによれば、第一
審判決判示第二事実の預金につき、所論のように被告人に持分権があつたとしても、
該預金は、被告人とAとの共同預入名義となつていて、被告人の勝手に引出せない
ものであるにかかわらず、被告人がこれをほしいままに払戻を受けたというのであ
るから、右被告人の行為が横領罪に当ることは当然である。また、右第二事実を二
の犯罪で併合罪に当るとの論旨は、原審で主張、判断のなかつた事項であるばかり
でなく、被告人に不利益な主張であつて、上告理由として不適法である。)
よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文
のとおり決定する。
昭和三七年三月一五日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 高 木 常 七
- 1 -