最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)133 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人田島政吉の上告趣意一について。
原審は、「本件五〇〇万円は、判示A村とB株式会社との間に締結された判示貨
客船Cの売買代金の一部として、同村の村長職務代理をしていた被告人が、同村の
収入役Dの求めによつて右会社から受領し、これを同収入役に手交するために保管
していたものである」旨認定しているのであるから、これを受領した以上は、被告
人はA村のために村有金を保管していたものというべきであり、従つてこれを檀に
自己の用途に費消し、或は他に貸与した被告人は、自己の保管にかかるA村の村有
金を横領した責任を免れることを得ない。
されば、この点に関する原審の判断は正当であり、所論引用の判例の趣旨に異る
ところがあるとは認められない。所論はひつきよう原審の事実認定を非難し、これ
を前提として判例の違反を主張するに帰するから採るを得ない。
同二について。
所論は、事実誤認の主張を出でないものであり、刑訴四〇五条の上告理由に当ら
ない。
弁護人下光軍二の上告趣意一について。
所論についての判断は、前記田島弁護人の上告趣意一について述べたとおりであ
るから、論旨は採るを得ない。
同二、三、四について。
所論は事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張を出でないものであつて刑訴
四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べてみても、本所論の点につき刑訴
四一一条一号乃至三号を適用すべきものとは認められない。
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よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和三六年八月一七日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 高 木 常 七
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
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