大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)1910 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岩田喜好の上告趣意第一点について。

論旨は判例違反をいうが、原判決は所論引用の判例に反する判断をしているとは

いえない(所論引用の原判文中、刑訴三二一条二項とあるは、刑訴三二一条三項の

誤記と認めるのを相当とする)。(所論は、本件の実況見分調書添付の見取図の立

会人たる被告人の署名押印は、何も書かれていない白紙になされたものであるとい

うが、所論引用の当裁判所第二小法廷の判例にも示してある如く、立会人の指示説

明として被疑者又は被疑者以外の者の供述を聴き、これを記載した実況見分調書に

は、右供述をした立会人の署名捺印を要しないのであり、また所論は、右調書は、

実地見分のなされた日より六日後に、その作成名義人でないAによつて作成された

ものであるというが、原審における証人B、Aの各証言によれば、本件実況見分は、

巡査部長Bが、司法巡査Aを補助者として見分し、右調書を作成したことが明らか

であるから、所論のように右Bの作成にかかるものでないとはいえず、また右各証

言によれば、右調書の整理完成された日が、実況見分実施五日後であつても、右五

日後に初めて作成されたものでないことが認められるから、かかる場合、調書作成

の日付を実況見分実施の日に遡らせたとしても、この一事を以て右調書を違法のも

のとすることはできない。されば本件実況見分調書には所論の違法があるとは認め

られず、これが違法を前提としてその証拠能力を否定しようとする論旨は理由がな

い)。

同第二点について。

論旨は判例違反をいうが、原判決は自白の任意性の有無についての調査は不要だ

といつているわけではないから、所論引用の判例に反する判断を示していないこと

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が明らかである。(所論調書の任意性及び信憑性に関する原判断は、記録に徴し誤

りがあるとは認められない。)

よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三六年一二月二七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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