最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)3012 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人木村一八郎の上告趣意第一点について。
所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張を出でないものであつて、刑訴四〇五
条の上告理由に当らない。
同第二点について。
所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
同第三点の一について。
所論指摘の原判決の判断が、引用にかかる高等裁判所の判例に牴触するものであ
ることは、所論のとおりである。
しかし、金銭を目的とする消費貸借上の利息又は損害金の契約は、その額が利息
制限法一条、四条の各一項にそれぞれ定められた利率によつて計算した金額を超え
るときは、その超過部分につき無効であるが、債務者が、それを任意に支払つたと
きは、その後において、その契約の無効を主張し、既にした給付の返還を請求する
ことができないばかりでなく、結果において返還を受けたと同一の経済的利益を生
ずるような、残存元本への充当も許されないものと解すべきであることは、当裁判
所の判例(昭和三五年(オ)一〇二三号、同三七年六月一三日大法廷判決)の示す
ところである。
従つて、所論引用の高等裁判所の判例は、これによつて変更されたものであつて、
刑訴四一〇条二項により、原判決を維持するのを相当と認める。
同二について。
所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
同第四点の一について。
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債権の発生は財産の増加であり、法人税法上所得に当るものであるから、これに
課税したからといつて、所論のように、財産権を不当に侵害するものということは
できない。それゆえ違憲の主張は前提を欠くものであり採ることを得ない。
同二について。
所論は、事実誤認の主張を出でないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当
らない。
同第五点について。
所論は、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和三七年八月二三日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 高 木 常 七
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 斎 藤 朔 郎
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