大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(れ)4 判決

主 文

原判決を破葉する。

被告人を罰金五百円に処する。

右罰金を完納することができない場合は金二百五十円を一日に換算した

期間被告人を労役場に留置する。

理 由

検察官の上告趣意について。

原判決は被告人が昭和二三年六月一六日、原判示の如くAに対し多衆の威力を示

し、かつ数人共同して暴行を加えた事実を認定し、その被告人の所為が暴力行為等

処罰ニ関スル法律一条一項、刑法二〇八条、罰金等臨時措置法二条、三条一項二号

に該当するものとして、被告人を罰金一万円(換刑処分五〇〇円一日)に処する旨

言渡していることは所論のとおりである。

被告人の右所為は、行為時法によれば、暴力行為等処罰ニ関スル法律一条一項、

刑法二〇八条に該当するものとして、三年以下の懲役または五〇〇円以下の罰金を

以つて処断すべきものであるが、その罰金額については昭和二四年二月一日から施

行された罰金等臨時措置法二条、三条一項二号により変更があつたのであるから、

犯罪後の法律により刑の変更があつたものとして、刑法六条、一〇条により行為時

法と裁判時法について所定刑の軽重を比照し、結局軽い行為時法を適用して罰金に

ついては五〇〇円以下の範囲で刑を定むべきものである。このことは論旨引用の昭

和二六年七月二〇日第二小法廷判決(集五巻八号一六〇四頁)の示しているところ

であつて、原判決は右判例と相反する判断をしたものといわねばならない。

よつて刑訴施行法二条、三条の二、刑訴四一〇条一項により原判決を破棄し、旧

刑訴四四八条により被告事件につき更に判決をすることとする。

原判決の確定した事実を法律に照すと、被告人の原判示所為は暴力行為等処罰ニ

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関スル法律一条一項、刑法二〇八条(罰金等臨時措置法二条、三条一項二号は前示

理由により適用しない)に該当するところ、被告人には原判示確定裁判を経た罪が

あつて、これと被告人の原判示の罪とは刑法四五条後段の併合罪であるから、同五

〇条により、まだ裁判を経ない原判示の罪につき処断することとし、所定刑中罰金

刑を選択し、その罰金額の範囲内で、被告人を主文第二項の罰金に処し、換刑処分

につき同一八条を適用して主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

検察官 羽中田金一公判出席

昭和三七年七月五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 朔 郎

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