大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)1076 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告人A1代理人岩川勝一および上告人A2代理人中内英夫の上告理由第一点に

ついて。

所論は、上告人A1が本件不動産上に有していた担保権は売渡し抵当であつたと

の原審において主張判断のない事項を前提として、原判決(その引用する第一審判

決をふくむ、以下同じ)に審理不尽、理由そご、判断遺脱の違法があると主張する

ものであつて、採用の限りでない。

同第二点について。

原判決が本件代物弁済契約は公序良俗に反するものとして無効であると判断した

ことは、その挙示する証拠関係、事実関係からこれを是認できる。右判断は、所論

引用の当裁判所第二小法廷の判決と相反する判断をしているものでなく、またその

他の所論は、原判決の排斥した証拠に基づいて原判決の適法な判断を非難し、或は

原審で主張しない独自の見解を主張するに帰し、採用できない。

同第三点について。

原判決が、本件代物弁済契約は公序良俗に反し無効であり、したがつて上告人A

2(参加人)が上告人A1から本件不動産を買い受けたとしても、それは無権利者

から権利を譲り受けたものというべきであるから、たとえ譲受人名義の所有権移転

登記があつても、上告人A2は本件不動産の所有権を取得するに由ないものという

べき旨の原審の判断は正当である。所論は、原審において主張判断のない事項を前

提として原判決を非難するか、或は独自の見解に立つて原判決を論難するに帰し、

採るをえない。

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同第四点について。

原判決が本件不動産の昭和二九年二月一一日当時の時価合計額が五〇万円を下ら

ない旨を認定したことは、その挙示する証拠関係からこれを肯認できる。所論丙第

三、第四号証および甲第六号証は、いずれもその挙示する理由によつて原審の採ら

なかつたものである。所論は、原審において主張しない事実を新に主張して原判決

を非難するか、または原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、

或は独自の見解に立つて原判決を論難するに帰し、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 長 部 謹 吾

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