大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)12 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人成田篤郎の上告理由第一点について。

本件土地の現況が本件競落当時、畑(農地)であつた旨の原審の認定は、原判決

挙示の証拠に照し、是認できる。この認定を非難する所論は、結局、原審の認定し

ない事実を前提として、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難す

るにすぎない。また、原判決の認定によると、本件競売開始決定、競落許可決定の

あつたことは当事者間において争がなく、しかも、上告人は競落人として本件競売

手続の有効なることを主張しているのであるから、右競売開始決定および競売期日

の通知が被上告人(上告理由書に被控訴人とあるは控訴人の誤記と認める)に送達

されたかどうかを論じることは、無用のことである。

同第二点について。

所論もまた、原審の認定しない事実を前提として、原審のした本件土地の前記現

況の認定を非難するにすぎず、採用するをえない。

同第三点について。

所論は、原審の認定しない事実に基づき、或は独自の見解に立つて、原審が適法

にした事実の認定、証拠の取捨判断を非難するに帰する。原判決には所論の違法は

ない。

同第四点について。

本件土地について、先に県知事の宅地への転用許可があり、地目変更がなされて

いたとしても、本件競落許可決定のなされた当時における本件土地の現況が農地で

あつた以上、その競落には農地法三条の規定による県知事の許可を必要とする旨の

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原審の判断は、正当である。したがつて、上告人が本件土地の競落につき右許可を

受けていないことが、原審の認定するとおりである限り、たとえ競落許可決定その

ものは確定しても、上告人が本件畑の所有権を取得することができないことは、右

農地法の規定の解釈上もとより当然のことである。所論は、独自の見解にすぎず、

採用しえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 長 部 謹 吾

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