大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)1289 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人戸毛亮蔵の上告理由第一点について。

論旨は、原判決は口頭弁論終結の日から約四年を徒過した後に言い渡されたもの

であつて、民訴の採用せる直接口頭主義の趣旨に違背すること明らかであるから、

破棄さるべきである、と主張する。

判決の言渡は、民訴一九〇条一項の明定するとおり、事件の繁雑その他特別の事

情がない限り、口頭弁論終結の日から二週間内になすべきもので、いちじるしく言

渡を遅延することは、同条の所期しないところであるけれども、それだけでは、同

法三九五条所定の絶対的上告理由のいずれにも該当せず、また当然判決に影響を及

ぼすこと明らかな法令違反でもないから、これをもつて直ちに原判決を破棄すべき

ものとすることはできない。したがつて、論旨は、上告適法の理由とならず、排斥

を免れない。

同第二点および第三点について。

論旨は、自作農創設特別措置法六条の二のいわゆる遡及買収の規定が憲法二九条、

三九条に違反して無効であると主張する。しかし、自作農創設特別措置法六条の二

が憲法の所論各規定に違反しないことは、当裁判所大法廷の諸判決(昭和二三年(

オ)第一三七号、同二四年五月一八日判決、民集三巻六号一九九頁、昭和二五年(

オ)第九八号、同二八年一二月二三日判決、民集七巻一三号一五二三頁)の趣旨に

徴して明らかである。それ故所論は採用できない。

同第四点について。

論旨は、原審が本件農地賃貸借の合意解約は参加人の要素の錯誤に基づく無効の

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ものであり、同人が右農地についてした遡及買収の申請も信義に反する行為ではな

いと判示したことについて、理由不備、理由齟齬の違法がある、と主張する。

しかし、原審はその挙示の証拠によつて事実を認定し、その認定した事実に基づ

き所論の判示をしていること判文上明らかであるから、理由不備の違法があるとは

いえず、またその間に理由齟齬の違法も認められない。論旨は、原審の専権に属す

る事実認定を非難するに過ぎないものであつて、採用の限りでない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 朔 郎

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