大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)170 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人弁護士藤原繁次郎の上告理由第一点について。

しかし、原審(原審の是認引用した第一審判決)の認定したところによれば、訴

外Dは、原告(被控訴人、被上告人)主張のような国税の滞納のあることが認めら

れるというのであつて、その事実は挙示の証拠で肯認できないことはなく、右認定

を覆すに足る証拠はないのであるから、所論は採ることができない。

同第二点について。

しかし、本件は、詐害行為の取消の訴訟ではなく、訴外Dの所有財産が上告人ら

名義に登記されているとして、債権者代位権に基き、上告人らに対しDえの移転登

記又は抹消登記を求めるものであつて、原審(第一審判決)は、所論の滞納処分を

免れる点については何等判示していない。されば、所論は、前提を欠き判決に影響

ある重要な法令の違反を主張するものとは認め得ず、採ることができない。

同第三点について。

しかし、本訴請求は、Dの所有権に基き架空の登記名義を有する被告らに対し所

有権所在の実体に合致するよう移転又は抹消登記手続を求めるものであるから、こ

れを認容した原判決は正当であつて、所論の違法はない。�

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

- 1 -

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!