最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)276 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士水上孝正の上告理由第一点について。
しかし、原判文によつて明らかなとおり、被上告人は増額請求にかかる月額金二
〇〇円の割合によつて計上した賃料と、争のない従前の賃料とにつき、それぞれ支
払方を催告したところ、上告人は従前の争のない賃料について、しかも被上告人は
右賃料の提供さえあらばこれが受領に拒絶しなかつたであろうことが明瞭であつた
にもかかわらず、右催告において定められていた猶予期間を徒過したというのであ
るから、これにより本件賃貸借契約を解除されても上告人としてはもはや抗議の余
地もなきに至つたものと認めざるを得ない。所論は右の原判決の趣旨を諒解しない
で種々論議するものであつて、採るを得ない。
同第二点について。
しかし、原判決を通覧すれば明らかなように、原判決は証拠に基き、本件土地の
賃貸借は店舖の敷地とすべく締結されたものであり、しかも所論建物は地代家賃統
制令二三条二項但書にいう併用住宅であると認むべき証拠もないと判断しているの
であり、右判断は本件証拠関係に照し是認できなくもないのである。なお、裁判所
は和解勧告の結果が如何ように推移したかを当事者に知らさなければならない筋合
があるわけのものでもない。それ故、原判決には所論違法のかどありと言うを得ず、
所論は採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお
り判決する。
最高裁判所第一小法廷
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裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 高 木 常 七
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