大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)297 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士石川惇三の上告理由第一点について。

しかし、所論(3)の主張は、民訴五七〇条五号においては教育場教師の動産の

差押を禁止しているだけであるから、独立した反対主張とは認められないし、また、

所論(2)、(4)については、原審の引用している一審判決に摘示され、原判決

はこれにつき判断を示していること明らかであるから、原判決には、所論の違法は

認められない。

同第二点について。

しかし、原判決は、本件建物を登記上控訴人(上告人、被告)個人の所有名義で

あるだけの理由で、同人の所有であると認めたのではなく、挙示の書証、証人およ

び控訴本人の供述をあわせ考えて認定したものであること明白であるから、原判決

には所論の違法はない。

同第三点について。

しかし、民法三八八条の法定地上権は、抵当権設定当時に建物が存在することを

前提とするところ、原判決は、抵当権設定当時本件建物が存在しなかつたことを確

定しているから、本件建物につき被上告人に対抗できないこというまでもない。従

つて、原判示は正当であつて、所論は採ることができない。

同第四点について。

しかし、原判決の認定した事実関係の下において、所論権利濫用の抗弁を排斥し

た原判決の判断は正当であつて、所論は採ることができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

- 1 -

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!