大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)321 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人松永東、同松永光、同縄稚登の上告理由について。

しかし、原審の適法に確定した事実によれば、本件家屋は明治二三年頃建築の草

葺平家建居宅であつて、昭和二九年当時には既に六三年余を経過し、柱の大半はそ

の下部が腐蝕し、屋根には一部雨漏りがあり、周囲の壁も地面に接着する部分にお

いて一部くずれ落ち、家屋の西側や北側が相当に傾斜して、倒壊をおそれられる状

態であり、近隣の人もそれをおそれて警察署に陳情するものがあり、警察署でも調

査の結果その事実があるものと認めて上告人に対し警告を発したこともあるという

のであるから、原審が、本件家屋は昭和二九年頃において既に朽廃の状況にあつた

ものと判定したのは、右のような事実関係であるかぎり、正当として是認せざるを

得ない。�

その当時上告人方では結婚式や葬式があり、数十人の人が集まつたこともあるの

に、少しも右家屋につき危険を感ずることがなかつたとしても、それだけのことで

直ちに朽廃していなかつたと判定しなければならぬわけのものではないこと、原審

説示のとおりであるから、所論違法の主張は理由がない。

その余の論旨はひつきよう原審が適法にした証拠の取捨判断、事実認定を争うに

帰するから採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

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裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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