大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)352 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士海野普吉、同白石信明、同竹下甫の上告理由第一点について。

しかし、上告人が原審において所論代理ないし表見代理の主張をした形跡は認め

られない。そして、そのような場合に、裁判所に所論のような釈明義務があるとは

解し難い。されば、原判決には所論の違法は認められない。

同第二点について。

しかし、上告人は、原審において、昭和三〇年八月一日被上告人に対し本件金員

を交付して本件土地を買受けたと主張しているが、昭和二九年一〇月頃本件の基本

契約をしその後二回弁済期を延期したとは主張していないし、また、Dは、昭和三

〇年中控訴人の印章を三、四回預かつたことがありその他にも印章を託されその間

に甲二、三号証にこれを冒用した旨の原判決の事実認定は、挙示の証拠関係に照し

これを肯認できないことはない。されば、所論は、原審が適法になした証拠の取捨、

判断ないし事実の認定を非難し所論の違法あるがごとく主張するに過ぎないもので

あつて、採ることができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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