大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)381 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人藤堂真二の上告理由第一点について。

所論の点に対する原審の事実認定は、挙示の証拠により、是認し得ないわけでは

ない。書証の信ぴよう性を否定するについても、所論のように、作成者を尋問しそ

の他特別の証拠調を必要とするものではなく、その要否は、事実審の裁量に委ねら

れているものである。所論はひつきよう、原審の裁量に属する証拠の取捨判断、事

実の認定を非難するに帰し、その間原判決には所論の違法は認められない。

同第二点について。

仮りに、所論のように本件契約が複合契約の性質を有するものであるとしても、

上告人が本件債権の債権者となるためには、まず訴外Dの被上告人(被告)に対す

る債権について、債権者の交替により債権が右Dから上告人にかわることを前提と

するものといわなければならない。しかるに原審の認定するところによれば、右D

の債権は当初から存在しておらず上告人は、債権者の交替により右債権を取得する

ことはできないとされているのである。それ故、所論は前提を缺く主張であつて採

るを得ない。なお、上告人は無因的な債務負担行為があつた旨を主張するが、右は、

原審において主張、判断のない事実であつて、上告理由としては不適法であり、こ

れを前提とする所論もまた採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

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裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 長 部 謹 吾

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