大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)582 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士松本乃武雄の上告理由について。

所論の点に関し原判決の判示するところは次の如くである。すなわち、本件土地

は判示公正証書甲、乙両債務の代物弁済として提供されたが、右代物弁済契約の成

立した昭和二四年七月一六日当時における両債務の残額は一五一、八○○円を超過

していたのであるから、他に特段な事情の認められない本件に在つては、本件土地

の当時の価格が六〇万円のものであり、右債務額を上廻つていても、この程度の価

額差だけでは右代物弁済契約はいわゆる暴利行為として公序良俗に反し無効なもの

と断定することはできないというのである。そして本件証拠関係に照して考えれば、

右事実認定は首肯できないことはなく、この事実に基く右法律上の判断も正当とし

是認できる。論旨は右認定事実と相容れない事実関係を主張して事実認定に関す原

審の専権行使を非難するか、或は自己の想定する事実関係に立脚して独自の法律論

を展開するに外ならないものである。そしてその引用にかゝる各判例も本件に適切

なものとは認められない。故に所論は採用し難い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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