最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)781 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士山口正身の上告理由第一点第二点について。
原判決認定のような事情の下で、所論賃貸借が所論の時点を境として借地法の保
護を受ける賃貸借に変更されたものとは認められないとした趣旨の判断は、この点
に関する原判決拳示の証拠に照し首肯できなくはない。そして、原判決は建物の大
小、形態、構造にのみ依拠しているのではなく、判示諸般の事情を斟酌した上で右
判断に到達していることは判文上明らかである。されば、原判決には所論各判例に
違反した瑕瑾もないし、また法律の解釈適用を誤つたり、理由不備、審理不尽の違
法あるものとも言えない。故に所論は採用できない。�
同第三点について。
原判決が所論のような理由のみで被上告人のなした解約申入が権利濫用に当るも
のと解することはできないとした判断は、当審もこれを正当として是認する。所論
は、権利濫用を裏付けるかくかくの事情ありとして、この点に関し原判決の認定し
た事実関係と相容れない事実を主張しつつ、事実認定に関する原審の専権行使を非
難するか、或は本事案に対する独自の見方を縷陳するに過ぎないものであつて、採
るを得ない。
同第四点について。
記録によれば、上告人は第一審以来証人D、上告本人、現場の検証等を申請し、
そのいずれもが採用されて原判決判断の資料として参酌されており、しかも右人証
は所論証人Eの申請事由とした事実関係にも触れているから、所論証人申出は上告
人にとつて唯一の証拠申出とすることはできない。故に所論も採用できない。
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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお
り判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 高 木 常 七
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