最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)848 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人菊地政、同増沢照久の上告理由第一点について。
しかし、原判決は、本件手形の取得は、支払停止及び破産申立の後である昭和三
一年一月頃に、支払停止の事実を知つてなされたものであることを認定した上、「
本件においては、控訴人Dの右手形の取得が、破産法一〇四条三号但書所定の場合
に該当するものと認めるに足る資料はない」と判示していることが明らかである。�
これは結局、本件手形取得が、本件破産宣告の時より一年前に生じた原因に基く
等の所論事実を認めることができない旨を判断したものであつて、右認定、判断は、
挙示の証拠関係に徴し首肯できなくはない。
それゆえ、原判決には所論の違法があるとはいいがたく、論旨は理由がない。
同第二点について。
当事者が死亡した場合は、原則として相続人が当然その地位を承継するのである
し、訴訟代理人の存するときは、当事者の死亡によつて訴訟手続は中断しないので
あるから、死亡した当事者を表示した判決は、実質的には承継人に対する判決と解
するのが相当である。ただ何人が承継人であるかの確定を後日(たとえば、執行文
付与の際)に譲つたものに外ならない。�
かりに、すでに死亡した当事者を、そのまま判決に表示したことに、所論の違法
があるとしても、上告人らの関係においては、原判決破棄の理由にはならない。
それゆえ、いずれにしても論旨は採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
- 1 -
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 高 木 常 七
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
- 2 -