大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(ヤ)28 判決

主 文

本件再審の訴を却下する。

訴訟費用は再審原告の負担とする。

理 由

再審原告代理人磯村義利、同下飯坂常世の再審理由について。

所論は、先ず、一般に建築請負人は建築によつて建物所有権を取得するのである

から請負人たるD株式会社が建物完成と同時に特別の事情のない限り所有権を取得

したものであるとの上告人(再審原告)の主張について、原上告審判決はなんら判

断していないと非難する。しかし、原上告審判決は、建物建築の請負において請負

人がその建築につき自ら供給した資材が当該建物の大部分を占めた場合に限り、建

築請負人が当該建物の所有権を原始的に取得するものであるとの見解を示して、そ

の特別事情を上告人が控訴審で主張していないとの理由で、請負人たるD株式会社

の建物所有権原始取得の主張を排斥したものであること判文上明白である。されば、

原上告審判決に所論判断遺脱の違法はない。

所論は、次に、一定の主張が明示的に記載せられていない第一審判決事実摘示を

当事者が第二審において第一審口頭弁論の結果として陳述している場合であつても、

この主張が訴状に明白に記載せられこの訴状が第一審口頭弁論において陳述せられ、

しかも第一審判決がこの主張事実を認定しこれによつて原告を勝訴せしめた如き場

合においては、その一定の主張は第二審においても維持せられていると見るべきで

あるとの上告人の主張について、原二審判決はなんら判断していないと非難する。

しかし、原上告審判決は、当事者が第二審で第一審判決事実摘示のとおり第一審口

頭弁論の結果を陳述した場合において、第一審判決事実摘示に記載されていない事

実は、たとい所論のような事由があつても、第二審における陳述がないものである

との見解の下に、所論一定の主張は第二審において主張されなかつたとの理由で、

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右上告理由を排斥したものであること判文上明らかである。されば、原上告審判決

に所論判断遺脱の違法もない。

よつて、本件再審の訴は却下すべきものとし、訴訟費用の負担につき民訴九五条、

八九条を適用し、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

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