大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(あ)2433 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意第一点は、公判期日において突然選任せられた国選弁護人はそ

の職責を十分に尽すことができないので、かような弁護人の選任は憲法(三七条三

項)の精神に反する旨を主張する。そして記録によると、昭和三七年九月一八日の

原審第二回公判期日において、それまで被告人のために弁護活動をしてきた国選弁

護人Aが欠席したため、原審裁判長は同日弁護士本間大吉を被告人のための国選弁

護人に選任したのであるが、右公判期日においては裁判官がかわつたための更新手

続と同年六月三〇日施行の検証調書と証人B、同Cの各尋問調書の職権による証拠

調が行なわれた。しかして、本間弁護人は異議なくその職務を引き受け、被告人に

おいても何等異議を述べた形跡のない本件においては、当該国選弁護人がその職責

を十分に尽すことができなかつたような特別の事情を認めることはできないので、

憲法違反の所論は前提を欠き採用の限りでない。同第二点は、事実誤認、単なる訴

訟法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても

所論の点につき同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和三八年五月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 長 部 謹 吾

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