大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)1110 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士加藤外次、同武藤泰丸、同畑山穰の上告理由第一について。

判示取引が判示の期間内に代金の支払を受けなければ取引をなした目的を達し得

ない事情のあつたことはこれを肯認するに足る証拠がないから判示取引が民法五四

二条にいう定期行為であるということは首肯できないとした原判決(その引用する

第一審判決)の判断は、挙示の証拠に照し是認できなくはない。所論は種々論議す

るが、ひつきょうするに、原審が適法に有する事実認定権の範囲内において自由に

なした事実認定に対し、そこに如何にも所論の違法あるが如く主張するだけのもの

であつて、上告適法の理由として採用し難い。

同第二について。

原判決(その引用する第一審判決)は挙示の証拠により、昭和三〇年八月中旬に

おける判示七四番の建物の売買代金は九九万二二〇〇円であつたが、その頃第一審

相被告Dが同月二〇日渡米することに確定したので、同人の申入により、被上告人

と同人とは同月一九日所轄登記所に赴き右残代金の支払と本件建物の所有権移転登

記手続とを同時になすべき旨約定し、次いで同日いよいよ登記をなすに際し、被上

告人の申入により登記名義人を被上告人の実妹Eにすることに合意成立した旨認定

しており、右事実を外にして右Dの本件建物の所有権移転登記手続義務が被上告人

との関係において消滅したものとはいささかも認定しておらず、また右所有権移転

登記手続義務と被上告人の右残代金支払義務が同時履行の関係でなくなつたとも認

定はしていないのである(この同時履行の関係は本来の売買契約上のものではなく、

被上告人と右Dとの別個の合意に基づいて生じたものであることは判示によつて明

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らかである)。さすれば所論は原判決の趣旨を正解しないか或は独自の所見という

の外はないから、すべて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 朔 郎

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