大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)224 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人杉本信之の上告理由第一点について

原判決は、控訴人(上告人)が家業の竹皮製造業を開業するための段取りをする

まで住宅を借りたい旨を被控訴人(被上告人)に述べ、昭和二〇年九月一八日被控

訴人から本件家屋を住宅用と使用目的を定めて賃借したこと、控訴人が被控訴人の

承認なく本件家屋の階下表六帖と中三帖の間を板張りとして、竹皮製造の作業場に

使用し、他の部屋に使用人を泊らせ、控訴人自身は昭和三二年七・八月頃本件家屋

の南隣りに居宅を築造して家族と共に居住し、本件家屋には居住していなく、これ

を控訴人自身の住宅用に使用する意思のないことを認定した。この事実認定は、原

判決挙示の証拠によつて首肯することができるから、原判決には審理不尽、採証法

則違反の違法はない。そして、原判決が右の事実を理由とする本件賃貸借契約解除

の意思表示を有効と判断したのは正当である。所論は、右の事実に沿わない事実を

前提として原審の右の判断を争うものであつて、理由がない。したがつて、論旨は

すべて採用することができない。

同第二点について

所論は、原審が適法に確定した事実に沿わない事実を前提として原判決を非難す

るものであつて、採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎

- 1 -

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 朔 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!