大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)425 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人那須六平の上告理由第一点ないし第三点について。

原判決は、上告人の抗弁事実に副う原審竝びに第一審における上告本人の尋問の

結果及び原審竝びに第一審証人Dの供述は措信し難く、その他には抗弁事実を認め

るに足る証拠がないと判示しているのであり、原判決の右事実上の判断は関係証拠

に照らし首肯できなくはない。なお、原判決は抗弁事実の反対事実を認定している

が、右はあらずもがなの蛇足と解するを相当とする。

所論は縷々論述するが、ひつきようするに、原判決の右事実上の判断(右反対事

実の認定をも含め)に対し、その判断の経路に、如何にも所論違法のかどあるが如

く主張して、原審専権に属する証拠の取捨選択、事実認定を非難するだけのもので

ある。なお、原審が上告人の文書提出命令の申立を却下したことに対し種々云為す

るが、当事者の申し出た証拠方法については、それが唯一の拠証方法である場合を

除き、審理の経過から見て必要がないと認めるときは、その取調べを要しないこと

は既に当裁判所判例(昭和二四年(オ)第九三号、同二七年一二月二五日第一小法

廷判決、民集六巻一二号一二四〇頁参照)の示すところであり、右提出命令申立の

文書が本件唯一の証拠方法に当らないことは、本件記録に徴して明らかである。�

それ故、論旨はすべて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

- 1 -

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!