大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)631 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人滝逞の上告理由第一点について、

原判決がDが被上告人より借受けた計一三万円の未払残額は五万円に過ぎないと

の上告人の主張を排斥した点は、その点に関し原判決の挙示した証拠に照し、是認

できなくはない。所論は、原審は乙第一号証の記載及び証人Dの証言並びに上告人

本人尋問の結果について解釈を誤つているというが、原審は適法に任されている裁

量の範囲内で右各証拠の内容を自由に評価判断したまでのことであつて、その間に

何ら違法のかどあるを見出し得ない。また所論は、判例違反云々をいうが、如何な

る判例に違反するやを何ら明示していないから、右については判断するに由がない

次第である。

同第二点、第三点について、

所論の点に関する原判決の事実認定は、その点に関する原判決挙示の証拠に照し

首肯でき、その間に所論虚無の証拠に基づいて認定したとのかきんあるを見出し得

ない。なお、原判決の右認定は判例に牴触した証拠解釈によるものであるとの所論

については、その判例を何ら明示するところがないから、これ亦判断に由ない主張

であることは前段と同断である。

同第四点について、�

原判決が所論にいわゆる弁論の全趣旨なる措辞を掲げていることは、所論のとお

りである。しかし、所論の点に関する原判決の事実認定は、右にいわゆる弁論の全

趣旨を除外しても挙示の証拠に照し是認できなくはないものと認められるのであり、

従つて右弁論の全趣旨なる措辞は、あらずもがなのものと認めるを相当とするが故

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に、右措辞の故をもつて原判決のかきんとすることはできない。その他の論点は、

本事案に対する上告人の独自の所見に過ぎない。それ故、本論点はすべて採用でき

ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 朔 郎

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