大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)866 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人貞松秀雄の上告理由一について。

原判決は、本件家屋の賃借人は訴外Dであつて、訴外EはDの命を受けた営業担

当者すなわち使用人にすぎなかつたが、Dの不在放任等からしだいに独立営業者と

して振舞い、みずから本件家屋の賃借人と主張しはじめるに至つたとし、右E同人

を本件家屋の賃借人と認めることはできないと判断した。原判決の挙示する証拠に

よれば、この認定と判断は、これを支持することができる。所論中の(イ)ないし

(ニ)の事実は、原審の認定した事実とあいいれないものでなく、とくに(ロ)お

よび(ニ)の事実についての原審の判断は、これを是認することができる。所論は

原審の専権に属する事実の認定を非難するか、原審の認定しない事実を前提として

原判決を非難するに帰し、採用することができない。

同二について。

原判決の適法に認定したところによれば、本件家屋は上告人A1がその営業のた

めに使用し、これを他人に管理させており、上告人A2とA3がこれをその住居と

して占有しているというのであり、原判決が本件家屋を三名の共同占有にあると判

断したことは、これを容認することができる。

原判決の判文中には、言葉の明確を欠く点がないとはいえないが、所論のように

審理不尽の違法があるとはいえない。なお、仮処分執行の時の占有の認定について

の所論は、原判決の認定を動かすものではなく、この点の所論は、独特の見解にす

ぎない。

同三について。

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原判決は、被上告人と訴外Dとの間に成立した本件家屋の賃貸借が現在も存続し

ていることを認定していない。かりに右賃貸借が存続し、賃料の定めがあつたとし

ても、右賃料額は契約当事者の間の個人的関係に基づいて定められるものであるか

ら、第三者の不法占有による損害賠償の額の基準としなければならないものではな

い。原審が所論の賃料額に拘束されることなく、鑑定の結果に基づいて損害賠償の

額を算定したことは、違法とはいえない。�

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

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