大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)952 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人渡辺幸吉の上告理由一(原判決理由の一の前半)について。

所論は、要するに第一審判決添付図面の(リ)(チ)(ヲ)の線上には生垣が、

また(ワ)(カ)の線上にはトタン塀がいずれも古くから存在していたことを原判

決(その引用する第一審判決をふくむ。以下同じ)か認めながら、これらの物的境

界識標に信をおかなかつた点を、理由不備ないし理由そごの違法をおかすものと非

難する。しかし、原判決は、本件両地が訴外Dから分譲されるにあたつては、右所

論の線を境界とすることなく、被上告人所有の建物の両樋の線すなわち原判決(リ)

(チ)(ヌ)(ル)の各点を結ぶ線が境界と定められたものであることを、挙示の

証拠関係から正当に判示しているのであつて、その認定の経路に所論の主張するよ

うな矛盾そごは存しない。原判決の認定した事実関係の下において、所論の生垣や

トタン塀の設置されていた線を境界線と認めなかつたからといつて、必らずしも極

めて異例なことともいえず、所論は、ひつきょう原審が挙示の証拠関係から適法に

した事実認定を非難するに帰し、採用できない。

同二(原判決理由の一の後半)について。

所論は、要するに現在(リ)(チ)(ヲ)の線上に存在する万年塀は被上告人自

らが設置したものであるから、被上告人はその線が境界線であることを自認したも

のであると主張する。しかし、被上告人が右(チ)(ヲ)の線を本件境界と認めた

ものであるとはいえないとした原判決の認定判断は、挙示の証拠関係に照し首肯で

きる。この点の理由不備ないし理由そごをいう所論は、ひつきよう原審の裁量に属

する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、採用できない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

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