大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和37(ク)101 決定

主 文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

抗告代理人菅野虎雄の抗告理由第一点について。

最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に

抗告を申し立てることを許した場合に限られ、民事事件については、民訴四一九条

ノ二に定められている抗告のみが右の場合に当る。ところが、所論は、違憲をいう

も、その実質は単なる法令違反を主張するに帰し、同条所定の場合に当らない。

同第二点について。

最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、裁判所法七条二号に従い訴訟法に

おいて特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合に限られ、民事事件に

ついては、民訴四一九条ノ二に定められている抗告のみが右の場合に当ること右第

一点について述べたとおりである。そして、所論憲法三二条は何人も裁判所におい

て裁判を受ける権利あることを規定したにすぎないのであつて、いかなる裁判所に

おいて裁判を受くべきかというような裁判所の権限、審級等は立法により定めらる

べき事項であり、憲法には同八一条を除き他にこれを制限する規定のないことは、

当裁判所大法廷判決(昭和二二年(れ)第四三号、同二三年三月一〇日大法廷判決、

集二巻三号一七五頁、昭和二三年(れ)第二八一号、同二五年二月一日大法廷判決、

集四巻二号八八頁)の趣旨とするところである。それ故、裁判所法七条二号が憲法

三二条に違反する旨の所論主張は採用することができない。�

よつて、抗告費用は抗告人の負担とし、主文のとおり決定する。

昭和三七年五月三一日

最高裁判所第一小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!