大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(あ)10 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を仙台高等裁判所に差し戻す。

理 由

仙台高等検察庁検察官検事長橋本乾三の上告趣意について。

原判決が、本件のようないわゆる「ひき逃げ」の場合には、道路交通法七二条一

項前段の救護等の義務違反の罪のみが成立し、同条後段の報告義務違反の罪は成立

しないとして、この点につき無罪の言渡をした第一審判決を是認したこと、したが

つて原判決がいわゆる「ひき逃げ」の場合に右両義務違反の罪が成立するとした所

論引用の高等裁判所判例のうち(一)、(三)、(五)、(七)、の各判例と相反

する判断をしたものであることは、所論のとおりである。

しかし、いわゆる「ひき逃げ」の場合には、右両義務違反の罪が成立し、両者は

併合罪の関係に立つものと解すべきことは、当裁判所大法廷判決(昭和三七年(あ)

第五〇二号、同三八年四月一七日言渡、刑集一七巻三号二二九頁)の示すところで

あるから、これと同趣旨に出でた右高等裁判所の各判例は正当として支持されるべ

きで、論旨は理由があり、原判決は刑訴四〇五条三号、四一〇条一項本文により破

棄を免れない(なお、右大法廷判決は、原判決言渡当時においてはまだなされてい

なかつたのであるから、本件の場合が刑訴四〇五条三号後段に当ることを妨げるも

のではない。)

よつて、同四一三条本文にしたがい、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決

する。

検察官 岡・格公判出席

昭和三九年九月二四日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 松 田 二 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 齋藤朔郎は死亡につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 松 田 二 郎

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