大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(あ)1202 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人小中公毅の上告趣意について。

所論は違憲をいう点もあるが、実質は事実誤認、単なる訴訟法違反の主張を出で

ないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人Aの弁護人長島忠信の上告趣意について。

所論中判例違反をいう点は、引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく、その

余の論旨は単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない

(所論刑訴規則一六〇条一項七号違反を主張する点は、刑訴二二八条二項の弁護人

の立会が裁判官の裁量によるものであり、また記録によれば、本件において所論証

人尋問調書の証拠調請求に際し異議申立のなかつたことが明らかである点からみて、

右の違法が直ちに右証人尋問請求手続、ひいてこれに基く証人尋問手続および証人

尋問調書の無効を来たすものではないとした原判示は正当と認められる。)。

被告人A本人の上告趣意について。

所論は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らな

い。

被告人A、同Bの弁護人柏木博の上告趣意について。

所論は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張を出でないもので、刑訴四〇五条の上

告理由に当らない(所論第一の第三点の刑訴規則一六〇条一項七号違反の主張につ

いては、被告人Aの弁護人長島忠信の上告趣意に対する前記判示参照。)。

被告人A、同Bの弁護人飯塚信夫の上告趣意第一点について。

所論は違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上

告理由に当らない。

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同第二点について。

所論中憲法三七条違反をいう点は、同条二項の規定が、刑事被告人に対し、受訴

裁判所の訴訟手続において、すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられ

る権利を保障したものであつて、捜査手続における保障規定ではないこと、刑訴二

二八条は前二条の規定とともに、同一九七条一項に基づき規定された検察官の強制

捜査処分請求に関する規定であつて、受訴裁判所の訴訟手続に関する規定ではない

こと、および刑訴二二八条二項の規定が同条の証人尋問につき、被告人、被疑者、

弁護人の立会を任意にしたからといつて、憲法三七条二項に反するものではないこ

とは、原判決引用の当裁判所の昭和二七年六月一八日大法廷判決の示すとおりであ

り、また、検察官から刑訴二二七条に基づき証人尋問請求がなされ、裁判官から尋

問を受けた本件の所論各証人は、原判示のとおり、第一審の公判準備期日において、

それぞれ尋問され、被告人側の反対尋問にさらされ、所論各尋問調書の内容につい

て尋問を受けているのであるから、所論各尋問調書を刑訴三二一条一項一号により

証拠としても、その措置が憲法三七条二項に違反するものでないことは、原判決引

用の当裁判所の昭和二五年一〇月四日大法廷決定、同三五年一二月一六日第二小法

廷判決とその引用する同二四年五月一八日大法廷判決に照らし明らかである。それ

故、所論憲法三七条違反の主張は、前記当裁判所各判例に照らし、採るを得ない。

その余の論旨は違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張に帰し、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第三点について。

所論は単なる訴訟法違反、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に

当らない。

記録を調べても、所論の点につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

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よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和三八年一二月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 長 部 謹 吾

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