大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(オ)1048 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人村田太郎の上告理由一、二について。

原判決が挙示の証拠に基づいてなした事実認定は記録に徴してすべて肯認するに

足る。右認定の事実関係のもとにおいて、本件ボートの船体及び機関の売買につい

て、引渡後に隠れた瑕疵が発見された場合には被上告人において訴外D社をして無

償で修理させる特約がなされていたところ、同認定の船尾の亀裂が被上告人におい

て特約上修理すべき瑕疵であれば右訴外人に修理せしめるべく、三者立会の上調査

するための試運転の日時、場所、参集の日時場所が協定されたのにかかわらず、上

告人が正当の理由なく一方的に右試運転を取り止め、右参集の日から四、五日以内

に代金全部を支払う旨被上告人に約諾したのであるから、その合意に基づき、上告

人としては被上告人の修理義務の不履行を理由に代金請求権の先給付請求を拒否で

きなくなつた旨の原判決の判断は正当である。所論は、ひつきよう、原審の認定に

そわない事項を前提として原判決の正当な判断に異を唱えるものであつて、採用で

きない。

同三について。

所論は、売主の修理義務を免れないことが業界の建前であることを云為するが、

前示の如く被上告人の修理義務の如何にかかわらず代金全額支払を上告人が約諾し

た事実が認定された以上、右所論は結局判決に影響を及ぼさない事柄をいうに帰着

し、理由そごをいう所論も、ひつきよう原審の専権たる証拠の取捨判断、事実認定

を非難するにすぎず、所論はすべて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 朔 郎

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