最高裁判所第一小法廷 昭和38(オ)539 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人村中清市、同鳥居義雄の上告理由について。
原審の事実認定は挙示の証拠によつて肯認し得るところである。しかして右認定
によれば、本件建物一棟が被上告人B株式会社に売渡された当時、右建物について
株式会社D金融を権利者とし、債権額百万円とする抵当権が設定され、その旨の登
記がなされていたのであるから、右売買が詐害行為であるとしてその取消を訴求す
る上告人らは、右建物の価格から抵当債権額を控除した残額の部分についてのみ取
消権を行使し得るにすぎず、しかも目的物が一棟の建物であつて不可分である以上、
一部取消の限度においてその価格の賠償を請求するのほかないものというべく、従
つて、右建物について所有権移転登記の抹消登記手続を求め得ないとした原審の判
断は正当であり(昭和三〇年(オ)第二六〇号同三六年七月一九日大法廷判決、民
集一五巻七号一八七五頁)、原判決にはその他所論の違法はない。それ故、論旨は
すべて採用に値しない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 松 田 二 郎
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 長 部 謹 吾
裁判官 岩 田 誠
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