大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(あ)1035 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人柴崎四郎の上告趣意第一は、憲法三七条一、二項違反をいうが、

本件では、検察官がことさらに他の事件の取調に利用する目的または意図をもつて、

原審で無罪となつた詐欺事件について勾留を請求し、かつこれを起訴したとは認め

られないのであつて、このような場合、ある事件について勾留中の者を、他の被疑

事件について取り調べたからといつて、直ちに不利益な供述を強要したものといい

得ないことは、当裁判所の判例(昭和二六年(れ)第二五一八号同三〇年四月六日

大法廷判決集九巻四号六六三頁)の趣旨とするところであり、また本件事案の内容、

手続の経過その他の事情を勘案すれば、所論の自白は必ずしも不当に長く拘禁され

た後の自白に当らないことも当裁判所の判例(前掲判例および昭和二二年(れ)第

三〇号同二三年二月六日大法廷判決、集二巻二号一七頁)の趣旨に照らし明らかで

あるから、所論は採用できない。同上告趣意第二は事実誤認、第三は量刑不当の主

張であつて、いずれも上告適法の理由とならない。

被告人Bの弁護人関井金五郎の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よつて同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和三九年一一月一九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

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