大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(あ)1584 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中村直治の上告趣意前段は、違憲(三七条二項違反)をいうけれども、右

は原判示と異なる事実を前提とし、また記録によれば原審において被告人側から証

人申請のなされた事跡が認められないから、いずれも違憲の主張は前提を欠き、同

趣意後段は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて(選挙運動者が選挙運動の

報酬として供与を受けた金員を自己の所有に帰せしめた以上、たとえその一部を事

実上選挙運動の費用として支弁した事実があつても、報酬として受けた金員の全額

について追徴すべく、また、その後残額と同額の金員を供与者に返還したからとい

つて供与者から追徴すべきではなく、受供与者たる右選挙運動者から、その価格を

追徴すべきものである―昭和二九年(あ)第三一〇八号同三〇年二月二日第二小法

廷決定集一〇二号五四三頁、昭和二九年(あ)第一六六一号同年八月二四日第三小

法廷判決刑集八巻八号一四四〇頁参照)、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当ら

ない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和三九年一二月一〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

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