大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和39(あ)69 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岩村滝夫、同坂東克彦、同儀同保の上告趣意第一点について。

原判決の事実認定は、すべて適法な証拠調を経た、証拠能力ある挙示の各証拠に

基づきなされていることは記録上明らかである。しからば、原判決は、所論引用の

判例に牴触する点はなく、これに適合しているものというべきであるから、所論判

例違反の主張は理由がない。(なお、原判決は、判示の各事実を認定の上、被告人

らおよび原判示のその他の二名の者が、Aを病院事務室から排斥しようとする共通

の意思があつたことは疑う余地なく、被告人両名と右二名の者との間に暗黙の共謀

があつた事実を認めるに十分であると認定しており、更に県労評の者がAを病院事

務室から廊下に押し出したのはほとんど瞬間的なことで、その間に被告人両名およ

び旭川の者がAの身体を押したことは認められないが、Aが廊下に押し出された後、

同病院玄関に到るまでの間、および玄関から第一審判決判示道路上西方約四〇米の

地点に到るまでの間においては、被告人両名および旭川の者も県労評の者と協力し

てAをその背後から押したことが明らかであると判示しており、右原判決の事実認

定は挙示の証拠に照らし是認しうる。それ故、所論のように被告人Bに発言の事実

がなかつたとしても、前記原審の確定した事実関係の下においては、これを綜合的

に見て、被告人らおよび原判示のその他二名の者との間に共謀の事実を認定し、被

告人Bに本件罪責を帰せしめた原判決には所論の違法は認められない。)

同第二点について。

所論は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人坂東克彦の上告趣意について。

所論は違憲をいう点もあるが、実質は事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主

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張であつて、同四〇五条の上告理由に当らない。(原判決の確定した事実関係の下

においては、所論のように被告人Bに発言の事実がなかつたとしても、同人に本件

罪責を帰せしめた原判決に所論の違法の認められないことは、弁護人岩村滝夫、同

坂東克彦、同儀同保の上告趣意第一点に対する説示中に述べたとおりである。)

記録をしらべても、所論の点につき同四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和三九年九月二四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 松 田 二 郎

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